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復興格差 阪神大震災13年(下)耐震化遅れる大阪市──住宅、市民の関心薄く

大阪市の地域防災計画。10年ぶりとなる今春の改訂で、ある「文言」が姿を消す。

「参集の免除者」。震度5弱以上の地震で市役所職員は全員が職場に駆けつけることになっているが、健康上の理由などがあれば来なくてもよい、という規定だ。

あやふやな規定であるため「『熱があるから』『電車が動いていない』など自己判断で免除を言い出す可能性がある」(市危機管理室)。

さらに電話などで免除申し出をすることになるため、関係者は「仮に数千、数万の職員が一斉に『行く』『行かない』の電話をかけてくると、それだけで大混乱になる」と指摘。震災直後の通信回線の輻輳(ふくそう)にも拍車がかかりかねない。

神戸市の防災計画には、こうした規定はない。「震災の経験で、全員が参集できないことは十分承知している」と神戸市の担当者。それでも職員には「原則として何があっても出てくる」という趣旨を徹底している。

同じ阪神大震災の教訓を踏まえた計画。だが、大阪市の計画は「実に荒っぽいものだった」と中村真危機管理監。

参集免除規定の削除を含め、計画は全体の3割程度が書き換えられる見込み。改訂に当たって26項目もの改善要望を出した自民市議団も「これでようやく他市に誇れる計画になる」(床田正勝議員)と話す。

中央防災会議は昨年11月、大阪市を縦断する上町断層帯で地震が起これば、最悪の場合4万2000人の犠牲者が出ると発表。対策が遅れがちだった大阪市にも、防災の機運が高まりつつある。

しかし、防災対策で「最重要」とされる住宅耐震化は進んでいない。

大阪市は耐震診断・改修などに補助金を用意しているが、昨年4月から12月末までの住宅の耐震改修の申請はわずか6件にとどまっている。横浜市と比べても数字が2けた異なる低調ぶりだ。

市の担当者は「昨秋には木造住宅密集地のある8区の住民に15万枚のチラシを配ったが、反応はほとんどなかった」と嘆く。

しかし名古屋市などは、市職員とボランティアがペアになって老朽住宅を戸別訪問する「ローラー作戦」も展開しており、取り組みの“格差”は否めない。大阪市でも「今年は一層の対策を進め、耐震改修を増やしたい」と意気込む。

中央防災会議で被害想定作成の中心となった立命館大の土岐憲三教授は「改修などの補助制度に加え、耐震化した住宅には震災後の復旧・復興でも優遇することを約束するなど、耐震化を促進させる方策も検討してもよいのでは」と提言する。

台風災害への備えは進んでおり「水害対策先進都市」(中村危機管理監)を自負する大阪市。これまで、“後続ランナー”だった震災対策にも力を入れ、「真の防災先進都市」(同)に生まれ変われるか。今後の取り組みにかかっている。
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