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緊急地震速報、震度5弱で流れず 予測「4」は基準以下

26日午前4時33分ごろ、石川県能登地方を震源とする地震があった。昨年3月の能登半島地震で被害が大きかった同県輪島市門前町で震度5弱を観測 するなど、気象庁が昨年10月から始めた緊急地震速報の対象だったが、予測が基準を下回っていたため速報は流れなかった。内陸の直下地震では時間的に間に 合わない技術的な限界も示しており、同庁は「さらに精度の向上に努める」と、次の地震に備える。

気象庁は、震度5弱以上の揺れが予測された場合に速報を出すことにしている。震度5弱は「窓ガラスが割れて落ちることがあり、電柱が揺れるのがわかる」などと説明される。大きな揺れが来る前に知らせることで、身の安全を守ってもらう、世界にも例のないシステムだ。

今回の地震では、初期微動を感知してから5秒後に「マグニチュード(M)4.4、最大震度3」と予測。さらに2秒後、「M5.0、震度4」と修正した。いずれも発表基準には達しなかった。

しかし、実際の地震はM4.8で、輪島市門前町で震度5弱を観測した。

「残念ながら速報は発表されていません」。地震発生から2時間後、気象庁で会見した上垣内(かみがいち)修・地震情報企画官には悔しさがにじんだ。「震源やマグニチュードはほぼ正確だった。誤差の範囲だった」と説明した。

阪神大震災以降、気象庁は震度計の整備を全国に広げ、計測震度で各地の揺れがすぐにわかるようにした。その計測震度は今回、「4.5」 だった。震度5弱の最低ラインだった。「精度はよかったのに、ほんのわずかな差で速報に結びつかなかった」。速報が導入されて3カ月。緊急参集した職員 は、初めての速報の機会を生かせなかったことを残念がった。

ただ、今回、仮に速報を出したとしても初期微動から5秒後で、能登半島では強い揺れが来る前に速報が出ることはなかった。震源が10キロ程度と浅い所では間に合わないシステムの限界も見せつけた。

緊急地震速報の検討会委員を務めた日本大学の中森広道准教授(災害情報)は「5弱だと局地的に出る場合もある。速報が出ても間に合わない 場合もある。今回のように寝ている時間であれば情報は生かせない。あまり万能だと思わず、家具の固定など地震対策をしてほしい」と話す。

緊急地震速報をめぐっては、今月13日、北海道の震度4の地震で、NHKが誤って緊急地震速報を流したばかりだった。

今回の震度は、輪島市門前町で5弱、穴水町で震度4だった。北陸や東海地方でも体に感じる揺れがあった。震源の深さは11キロだった。総務省消防庁によると、人的被害などは出ていない。

気象庁は、震度6強を観測した昨年3月25日の能登半島地震(M6.9)の余震とみている。昨年3月の地震の約20キロ北北東で、断層が 西北西と東南東方向から押し合ってずれる逆断層型だった。能登半島地震の余震で震度5弱以上の揺れが観測されたのは、昨年3月28日の地震(M4.9)以 来。

〈緊急地震速報〉 地震で最初に届く小さな揺れ(P波、秒速約7キロ)をとらえ、その後に来る大きな揺れ(S波、同約4キロ)を予測する システム。気象庁は昨年10月から、最大震度5弱以上の揺れが予測された場合に速報を発表することにしている。気象業務法が改正され、警報として扱われる ため、指定公共機関のNHKは速報を流すことが義務づけられている。民放テレビ局は義務はないが、放送する。主な在京ラジオ局は今年4月から、震度5強以 上が想定された場合に放送する予定。

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